いま、TikTokで2016年のインターネットトレンドが再び大流行している。「2026 is the new 2016」というフレーズのもと、ボトルフリップチャレンジやマネキンチャレンジ、Pokémon Goといった10年前のバイラルモーメントを再現する動画が数千万単位で投稿されている状況だ。
「Great Meme Reset」から始まった懐古ムーブメント
このトレンドは2025年12月の「Great Meme Reset」というソーシャルメディアムーブメントを通じて注目を集め始めた。TikTokユーザー@taybrafangが12月31日に2016年の人気モーメントとアイテムのモンタージュ動画を投稿し、別のユーザー@joebro909が2026年1月1日を2016年のインターネットトレンドを復活させる「リセットデー」として提案したことが発端となっている。
BBCは、TikTokで「2016」の検索が2026年最初の週に452%増加したと報告。5600万以上の動画がその時代をエミュレートする霞んだフィルターを使用して作られたという。TikTok公式によれば、#2016ハッシュタグは米国で最近数週間で450%以上急増し、「2016 songs」の検索は290%、「2016 makeup」の検索は600%増加した(1月5日から12日の期間)。
セレブも参加、数千万規模で拡散
このムーブメントには著名人も参加している。ジョン・レジェンドやリース・ウィザースプーンが10年前の写真をInstagramやTikTokでシェアし、Snapchatフィルターやヒット曲、当時のファッショントレンドを強調している。セレーナ・ゴメスはツアーの懐かしい写真を投稿し、チャーリー・プースは2016年のヒット曲「We Don’t Talk Anymore」に合わせて口パクする動画を投稿した。
Good Morning Americaの報道によると、#2016ハッシュタグはTikTokで100万件以上、Instagramで3700万件以上の投稿で使用されている。#2016trendハッシュタグは170万件の投稿を超えており、このムーブメントがいかに広範囲に広がったかを示している。
再現されるのはボトルフリップからミームまで
ユーザーが再現しているのは、ボトルフリップチャレンジ、マネキンチャレンジ、Pokémon Go、ダビング、「catch me outside, how ‘bout dat」などのインターネットミームだ。多くの人気動画で、ユーザーはチョーカー、スキニージーンズ、明るい色のスターバックスドリンク、有線ヘッドホン、マネキンチャレンジなど2016年最大のトレンドを復活させ、その年に敬意を表している。
Fast Companyは2026年1月16日付で「最近、TikTokは『2026 is the new 2016』というフレーズのバリエーションで溢れている」と報道。TikTokユーザーはこのフレーズと共に若い頃の写真を投稿したり、10年前に人気だった曲を聴いたり、2016年の世界がより安定で安全な場所に感じられたことを懐かしんでいるという。
音楽にも影響、Spotifyでプレイリスト71%増
このトレンドは音楽プラットフォームにも影響を与えている。Spotifyによると、2024年と比較して「2016」プレイリストが71%増加している。
なぜいま2016年なのか
元Vogue編集者でジャーナリストのLeah Faye Cooperは「人々は本当にもっとシンプルで楽観的に感じられた時代を求めている」とABC Newsに語った。The Weekは2026年2月25日付で、このトレンドはTikTokユーザーが「ウェブがAI生成のブレインロットに汚染される前の古き良き時代」を切望したGreat Meme Resetとして知られる「皮肉なGen-Zジョークが誠実なムーブメントに変わった」ものに遡ることができると報道している。
複雑さを増す現代のSNS環境への疲弊と、シンプルだった時代への郷愁が、10年前のトレンドを再び輝かせている。このムーブメントは単なる懐古ではなく、Z世代が求める「純粋な楽しさ」の表現なのかもしれない。